階段の話。
お久しぶりです。
つい先日やっと大量の課題を片付けて、本当に久しぶりに寝る時間が確保できると安心した矢先、
ふと気づきました。
そう、早いもので、もう明日でブリュッセルから引越しです。
半年なんて本当に早いものです。
最後なので、ブリュッセルから話を始めようと思います。
<出典:10 plus 1 ブリュッセルのアールヌーヴォーとオルタ建築>
ヴィクトール・オルタをご存知でしょうか?
オルタは18世紀後半から19世紀前半にかけて活躍したベルギーの建築家で、初めてアールヌーヴォーを建築に応用した建築家として有名です。
例えば彼の手によるブリュッセルにあるタッセル邸は、世界初のアールヌーヴォー建築です。
小さくて一見退屈に見えるブリュッセルにも、こんな魅力があるのです。笑
上の写真はオルタのウィンシンガー邸。
同じくブリュッセルにあります。
<出典:タッセル邸の階段>
目を引くのは、なんといっても、「階段」。
美しいでしょう!!!!!!??????
今回は、オルタの建築とその階段に恋に落ちたのをきっかけに、階段のデザインについて考えてみました。
<出典:22 Very Unique Staircases That Will Inspire You>
なにもテーブルや椅子だけがインテリアではありません。
インテリアを「ライフスタイル」そのものだと考えると、階段を真剣に考える、というのも私の興味にあてはまります。
そうやってひとつひとつ気を配る空間の範囲を広げていくことで、結果的に自分にぴったりな心地よい空間が出来上がるのだと思っています。
「インテリアのデザインを提案する前にライフスタイルの提案をしていく」
というのは、日本にいた当時、働かせて頂いていたインテリアショップで学んだ教えのひとつです。
よく考えると、階段って使用頻度の割にはなかなか脚光を浴びないですよね。
でも有名なインテリアデザインナーの実家写真集なんかみてると、大抵階段がお洒落。
曲線美が目を引く優雅なオルタの階段ももちろんですが、上の写真のようにモダンで機能的な階段も魅力です。
ちょっと変り種の階段達をご紹介↓
たかが階段、されど階段。
階段といえば、一昨年あたりにフ○テレビで「オデッサの階段」というドキュメンタリー番組がありましたよね。
デザイナーの佐藤ナオキ等、デザイン、建築等に関る著名人も多く取り上げられていましたし、
魅力的なヒトやモノそのものというよりは、その周辺を探っていくコンセプトの番組だったので、自宅やインテリアのこだわりなんかも実は沢山ハイライトされていたりと、
なかなかセンスのよい番組でした。
私にとってなにが一番面白かったかというと、題名です。笑
階段?!ってなりますよね。
ご存知の方がほとんどだと思いますが、
オデッサの階段はウクライナのオデッサに実在する巨大な階段で、別名をポチョムキンの階段ともいいます。
映画監督エイゼンシュテインの代表作『戦艦ポチョムキン』に出てくる映画史上最も有名といわれている数分間でこの階段が出てくるのですが、
この数分間に使われたモンタージュ手法や映像文法が、その後の映画作りに大きな役割を果たしました。
フ○テレビによるこの命名は、ドキュメンタリーの新しい手法を確立するきっかけに!という意味合いだそうで、
既存のあり方を一旦バラしてみて、新しいものを組み立ててみよう、という思想が背景にあります。
うん、単純にかっこいいです。
「階段」で、ここまで考えることができました。笑
最後、もう一枚を、ブリュッセルのオルタ作品から。
ブリュッセルを離れ次なる目的地ウィーンを目指すSUGGYは、
既存の文脈を無視して新しい奇抜なやり方を柔軟に確立していける階段のような、そんな思想で頑張っていきたいと思います。
さようなら、ブリュッセル!
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