映画とインテリアブログ 「第36作目」

皆さん、「シンゴジラ」は観ましたか?
私自身、「ゴジラ」シリーズは殆ど観たことが無く、思い入れは無いに等しいのですが、
ゴジラ感を損なうこと無く現在の日本の置かれた状況を掬い取り
説得力のあるリアリティを持たせた力作になっていたと思います。

「ゴジラ」と言えば世界にも認知されている日本のアイコン的存在ですから、
うるさ型のファンもいれば、そもそも現代に怪獣映画を撮ることに否定的な人も
少なからずいる中でその重責を負い、一定の評価を得る結果を出した庵野監督の
ハートの強さ、手腕は賞賛に値すると思います。
まぁ、あの「エヴァンゲリオン」の監督が作る「ゴジラ」ですから
結構、クセのあると言いますかアクの強い映画になっているので、
ダメな人は受け付けないかも知れないですが。。。

見慣れた光景がゴジラによって破壊されていく様は私のような関西出身者よりも、
東京出身の方、在住の方にとってはよりリアルに迫ってくると思います。
そのベースに東日本大震災の記憶があれば尚更でしょうね。
とにかく、現実の何かを想起させたり、連想させたりのメタファーだらけの映画でした。
後、「石原さとみ」の存在感は凄かったですね。
ある意味彼女の映画になっちゃってます(笑)

ゴジラ 石原さとみ

ゴジラ映画と言っても「ゴジラ」という想定外の危機に対して、
日本でどのような反応が起こり、どのように対処するのか?という点が
この映画の妙なので、怪獣が暴れる事にカタルシスを感じるだけの映画ではありません。
そしてその当事者として描かれるのは「日本政府」サイドに徹底しているので、
殆ど、一般人の目線は排除されています。
その潔さが勝因の1つなのは間違いないと思います。
そうなると必然的に政府関連の官庁や会議室、官邸が舞台となるのですが、
それらのインテリアが実に日本的というか本当に無機質で面白みが無いんですよね。
ここをフィクションラインを上げてカッコいいインテリアにしたりしなかったのが
庵野監督のクレバーさだと思いますが(良く刑事物とかで日本じゃ絶対こんなの無いだろー的な指令室とか会議室が出てきたりしますよねw)
インテリアに関わる者としてはまたしても忸怩たる思いを感じるところです。

ゴジラ 大杉 漣

しかし、これが日本のインテリアのリアルな実態なのでしょうね。。
機能性重視でデザインなんて二の次、国民の税金を使うからには
批判を避けた無難で当たり障りのないデザインが街中に溢れ、
個人単位では衣服や食事にお金は掛けるけれども、
生活の舞台である家、インテリアには無頓着。

まだまだ我々の力不足です。

もっと魅力的な住空間を熱意を持って提案し、
インテリアの可能性、愉しみを発信する責任が我々にはあります。
そうリビングハウスはインテリア業界の「ゴジラ」にならなければなりません。

と強引にうまいこと言ったような気になって今回は締めさせて頂きます(汗)
お後がよろしいようで。。。

マインドラボ

デンマーク省庁のシンクタンク「マインドラボ」のオフィス

このくらい、美意識の高い国に!!