映画とインテリアブログ 「第34作目」

レヴェナント以前、この場で「観たい2016年の映画」で紹介した「レヴェナント 蘇りし者」を先日、観てきました。
素晴らしい映画でしたね!!
話的にはシンプルなリベンジモノですが、今まで観たことの無いような映像美と役者達の熱演で映画でしか得られない感動を味わえた至福の156分でした。
この映画で念願のアカデミー主演男優賞を勝ち取ったレオナルド ディカプリオの演技は圧巻で正に一見の価値ありです。

その鑑賞中、感動を覚えながらも頭の片隅でどうにかインテリアと紐付けしたネタが無いか探していましたが(苦笑)、
殆どアウトドア、それも大自然の中での人間の尊厳を描いた映画にそのような余地は皆無でした(泣)

しかし、そんなこんなでネタ探しをしていたところ、私自身は未見ですが、
「映画」と「インテリア」の関係性を取り上げるこの場で
スルーする訳にはいかない映画を見つけたので紹介したいと思います。

「ハロルドが笑うその日まで」

HERE IS HAROLD

今年の4月に日本劇場公開されたノルウェーの映画です。
どこがインテリアの映画なのかと説明するにはあらすじを読んでもらえると分かります。

ノルウェーで40年にわたり、クオリティーが高く温もりを感じる手作り家具にこだわり続けてきた家具店主ハロルド。
しかし、ある日彼の店の前に「イケア」がオープンし、ハロルドの店は閉店に追い込まれてしまう。

最愛の妻も失い、自暴自棄になったハロルドは
「イケア」の創業者 イングヴァル・カンプラードへの復讐を決意。カンプラードの誘拐を試みる。

と実在の企業である「イケア」とその創業者を偽名で濁す事無く、
そのままの設定で作っちゃっています。

ハロルドが笑う その日まで

更にその創業者 カンプラードそっくりの役者をキャスティングし、
おなじみのロゴは勿論の事、イケアにまつわる実際のエピソードやニュースを
盛り込んでより現実のイケアを想起させるという念の入れようです(笑)

IKEA

映画上でこのような大企業を揶揄する場合は訴訟などを恐れて
文字の入れ替えやパロったロゴなどで
暗にそれと分かるようにするものですが(そのひねりが面白い場合もありますよね)
このようにど直球で登場させた事にびっくりです。

そして更に驚きなのは、このような取り上げられ方を
本丸の「イケア」が許可したことです。
ストーリーを追うと最終的には和解し、ハッピーエンドになりそうな空気ですが、
話の構成上、一時的でもイケアにネガティブなイメージを持たさないと
主人公の動機に観客が感情移入出来ません。
そのようなリスクを含めてもイケア店内での撮影にまで協力している大企業の余裕に
またまたびっくりです。

「私たちは家具を作り、売るのが仕事で君たちは映画を作り公開するのが仕事だ。
それぞれにベストを尽くせばいいんじゃないか」

とイケア側がこの企画を快諾したエピソードに至っては
あまりこの映画はヒットしないのではないかと高をくくっていたのかと
下衆の勘ぐりをしてしまうほどですね(笑)

イケアほどの世界的企業になるとネガティブでもポジティブでもある程度の
ものでさえあれば、話題性が結果的に広告効果として機能するのでしょうね。

映画でのイケアのイジり具合は一体、どれくらいのものなのか?
今からDVDでのチェックが楽しみでなりません(笑)