2023年ミラノサローネレポート
イタリアのミラノでは、インテリアやデザインにおける世界最大規模の国際家具見本市、ミラノサローネが毎年開催されています。リビングハウスでは毎年このミラノサローネを視察しており、今年も4月開催されたミラノサローネを視察してきました。
リビングハウスがミラノサローネを視察する目的は、主に新規ブランドの開拓、オリジナル家具の開発に向けた情報収取、インテリア、デザインにおける世界のトレンド把握となり、今回も最先端の情報をミラノサローネから収集してきましたので、ご紹介していきます。
「目次」
ミラノデザインウィークについて
世界最大規模といわれる国際家具見本市のミラノサローネですが、開催期間中には会場外でもフォーリオサローネと呼ばれる展示会が開催されます。
ミラノサローネとフォーリオサローネを総称して「ミラノデザインウィーク」と呼ばれ、今ではインテリアとデザインにおける世界一の祭典となっています。
ここではミラノサローネとフォーリオサローネが、実際にはどんな展示会なのかご紹介します。。
ミラノサローネとは
ミラノサローネの正式名称はSalone del Mobile.Milano(サローネ・デル・モービレ・ミラノ)といい、日本ではミラノサローネと呼ばれています。
その名の通り、イタリアのミラノにて開催される展示会で、インテリアやデザインにおける家具見本市では世界最大規模となります。
今年の2023年に関しては、展示数は合計2000以上、来場者数に至っては30万人を超えました。
世界中のブランドやデザイナーが出展し、また世界中から業界関係者が視察にくるミラノサローネは、大規模かつグローバルで世界最先端のデザインが集約する場となっています。
フォーリオサローネとは
フォーリオサローネはミラノサローネ開催期間中に、会場外であるミラノ市内で行われている展示会です。
ミラノサローネには出展していないブランドやデザイナーたちの展示もフォーリオサローネでは見ることができます。
またフォーリオサローネは街中の施設を使用して展示を行うため、ミラノ市内の美しい街並みと一体化した展示をみれるのも魅力のひとつです。
今年トレンドの分析
2023年のミラノサローネ視察を通して、フォルム、素材、カラーの側面から今期のトレンドを分析しました。
フォルム:有機的な曲線
ソファ、テーブル、チェア、ラグなど、アイテムを問わず、有機的な曲線のフォルムをもつインテリアが多くを占めていました。
コロナ渦により家時間が増えた現代では、リラックスできる空間を作ることの重要度が高まっています。
丸みのあるシルエットは緊張感を解放し居心地の良さを演出するため、まさに今の時代に合った傾向といえます。
素材:ブークレファブリックとガラスの質感
ブークレファブリック
ブークレファブリックのブークレとはフランス語で「輪」を意味し、英語では「ループ・ヤーン」と呼ばれています。
輪状の糸が出るよう加工されているブークレ糸を使って織ると、表面に凹凸が生まれモコモコとした質感が際立つファブリックです。
近年のインテリアは無駄のないシンプルなデザインの傾向がありますが、ブークレのような質感豊かなファブリックが追加されることでお互いが引き立てあい、シンプルなデザインと相性の良いファブリックです。
ガラスの色合いと質感
インテリアにおいてガラスはメジャーな素材ですが、質感に変化を加えたアイテムが増えてきました。
通常のツルっとしたガラスではなく、気泡や凹凸、マットな仕上がりなど、ガラスにテクスチャーを感じる加工が多くみられました。
ガラスにテクスチャーが加わることで手触りが変化し、さらには光が当たった際に光の屈折が生まれ、有機的な印象を感じることができます。
サステナブルが意識される現代では、ナチュラルなデザインや素材が注目されていますが、無機質なガラスも素材感を感じる加工によりナチュラルなテイストに合う素材へと変化しています。
カラー:ビビットな暖色系カラー
近年はコロナ渦により家でのリラックスが求められる時期が続いていたため、彩度低めのニュートラルなカラーがよく使われていました。
しかしながら、今年のミラノサローネでは彩度の高いカラーが多く見られ、特に赤やオレンジ、テラコッタなど暖色系のカラーが多く見られました。
暖色は気分を高揚させエネルギッシュな印象を与える色味です。
コロナ渦から日常を取り戻しつつある現状で、人々が少しずつ外に踏み出そうとしている、まさに今の時代にあったカラーではないでしょうか。
まとめ
今年のミラノサローネでは特に世相を反映したインテリアの傾向がよくみられ、今の時代に合ったインテリアとは何かを感じ取れる機会となりました。
またミラノサローネだけでなく、ミラノ市内で開催されたフォーリオサローネも含め、デザイン大国であるイタリアの最高峰の空間演出を体感でき、多くのインスピレーションを受けました。
今年もミラノサローネから得た学びとインスピレーションをお客さまへのインテリアコーディネート提案、オリジナル家具の開発にも活かしていきます。
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