2023年6月28日
コラム

もう悩まないインテリアの色選び!カラーコーディネートの基本と実例

インテリアコーディネートにおいて、頭を悩ませる一つがカラーコーディネートではないでしょうか。

「統一感がなくてごちゃごちゃ見える」
「色の選択肢が多くて、どの色が自分の部屋に合うのかわからない」
「コーディネートって結局はセンスが必要なんでしょ」

このような悩み、不安をお持ちの方に向けて、センスではなくロジックをもとに、カラーコーディネートの基本を解説します。

カラーコーディネートの基本を知って、お部屋のコーディネートをぜひ楽しんでいただければと思います。

インテリアのカラーコーディネートとは

インテリアにおいてカラーコーディネートがポイントとなる理由と、基礎知識について説明します。

カラーコーディネートがポイントになる理由

インテリアにおいて部屋の印象を最も左右するのがカラーコーディネートです。

実はカラーコーディネートは見落とされがちなポイントでもあります。
家具をなんとなくで選んでしまったり、好きな色だからという理由で決めてしまって、いざ家に入れてみると思っていたのと違う…
という経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。

その原因は選んだモノにあるのではなく、全体のカラーバランス、すなわちカラーコーディネートにあります。

購入した家具がどんなにオシャレで高価なものだったとしても、部屋に合っていなかったり、部屋自体のカラーバランスが悪いと、せっかく買った家具もオシャレに見せることができません。

自分の理想とする部屋のイメージに対して、その空間を彩るカラーとバランスが整ってこそ、家具やインテリアはオシャレに映えるため、カラーコーディネートは重要なポイントになります。

カラーコーディネート基礎知識

インテリアのカラーコーディネートは、色の組合せである「配色」と色の分量である「比率」によって構成されます。

カラーコーディネートを行う上で、配色と比率の両方を考慮する必要があることをまずは頭に入れておきましょう。

またインテリアにおけるカラーコーディネートを考える際に、カラーは以下の3つに分類されます。

■ベースカラー (下記イメージ:青)
内装における色味(天井、壁、床) 部屋の大半を占める色味であり、比較的落ち着いた飽きにくい色味が多い

■アソートカラー (下記イメージ:黄色)
家具全般の色味(テーブル、ソファ、カーテン、ラグなど) 部屋のイメージとなるメインの色味

■アクセントカラー (下記イメージ:赤)
小物、雑貨の色味(クッション、オブジェ、アートなど) 部屋のポイントとなり目を引く色味

カラーコーディネートの進め方

カラーコーディネートを進めるにあたり、何から考えていくべきか、3つのステップに分けて説明します。

ステップ1 まずは理想とする部屋のイメージを明確に持ちましょう

理想とする部屋のイメージを明確に持つことは、インテリアコーディネート全体を通して最も重要なポイントであり、一番初めに行ってほしいステップとなります。

部屋のイメージが定まっていないと、カラーコーディネートやテイストがちぐはぐになり、まとまりのない部屋になってしまいます。

イメージを明確に持つためにおすすめなのが、理想の部屋の写真をピックアップすることです。
近年はSNSが普及してオシャレな部屋の写真を見れるツールがたくさんあります。
(Pinterest、Houzz、RoomClip、Instagramなど)

自分自身でイメージを作り出すのは難しくても、好きな部屋の写真を見つけることは手軽にできます。まずはこんな風にしたいなという理想の部屋を見つけて、その部屋で使われているカラーを参考にしましょう。

ステップ2 配色は部屋全体で3〜4色程度にまとめましょう

配色は部屋全体に対して3〜4色程度でまとめると、物足りなさやごちゃつきが出ません。

3~4色でまとめると聞くと簡単に思えますが、実際には内装の他にテーブル、チェア、ソファ、ラグ、カーテンなど部屋にはたくさんのアイテムがあり、どのように3〜4色でまとめたらいいか分からない、という方もいるのではないでしょうか。

そこで家具、インテリアをそれぞれカテゴリーに分けて解説していきます。

※前提として、本章ではベースカラーである内装は既に決まっていることが多く変えることが難しいため、アソートカラー、アクセントカラーに絞ってご説明します。

<補足情報>
ベースカラーである内装でよく気にされるポイントに床色がありますが、結論から言うと必ずしも床色に合わせてコーディネートしなくてはならない、というわけではありません。
確かに床色によって合うテイストや家具の色味というのは存在します。しかしながら家具、インテリア同士の統一感をしっかり出すことで、ベースカラーに左右されることなくお好きなインテリアイメージの部屋を作ることも可能です。

それでは配色のポイントについて、まずは家具、インテリアをカテゴリーごとに分けます。

(1)板材を使用した家具 (アソートカラー)
・・・ダイニングテーブル、TVボード、サイドボードなど

(2)布地を使用した家具 (アソートカラー)
・・・ソファ、チェア、ラグ、カーテンなど

(3)小物・雑貨 (アクセントカラー)
・・・クッション、アート、オブジェなど

上記の(1)〜(3)のように、カテゴリーごとにカラーコーディネートを考えていくと、より分かりやすくなります。

(1)「板材を使用した家具」
板材を使用した家具は1色にまとめましょう。
(ダイニングテーブル、リビングテーブル、TVボードなど)

例えば、下記のように使用している板材の色がバラバラな場合、ちぐはぐな印象が目立ちます。

板材をライトブラウン一色にするだけで統一感がでます。

ただし、背の高い壁面収納などの場合、ダークブラウンなどの濃い色を使用すると圧迫感が目立ってしまうことがあります。圧迫感が気になる場合は、壁と同じホワイト系の色にして壁と同化させてもよいです。

(2)「布地を使用した家具」
布地を使用した家具は1~2色以内でまとめましょう。
(ソファ、チェア、ラグ、カーテンなど)

2色使う場合は、以下のいずれかの色を選択するとごちゃついた印象が出ません。
ⅰ)どの色にもなじみやすい無彩色(白、黒、グレー)
ⅱ)他の箇所で使用している色味(内装やアクセントカラーなど)

(3)「小物・雑貨」
小物・雑貨は1〜2色以内でまとめましょう。
(クッション、アート、オブジェ、フラワーベースなど)

アクセントカラーは小さい面積のアイテムのため、2色入っていてもごちゃつきにくいです。特にベースカラー、アソートカラーに統一感があり色数が少ない場合は、アクセントカラーを2色使用したほうが物足りなさを取り除けます。
(既にアクセントカラー以外の色数が多い場合は1色でもOK)

またアクセントカラーは部屋の全体に点在させると効果的です。

点在させることで意図的にアクセントを入れていることが分かります。さらにアクセントカラーは強調色で目に付きやすいため、視線がアクセントカラーに移り空間に広がりが感じられます。

ステップ3 カラーコーディネートの黄金比は「70:25:5」

カラーコーディネートには部屋全体に対して「70:25:5」の黄金比が存在します。

[70%]
ベースカラー・内装における色味(天井、壁、床)

[25%]
アソートカラー・家具全般の色味(テーブル、ソファ、カーテン、ラグなど)

[ 5%]
アクセントカラー・小物、雑貨の色味(クッション、オブジェ、アートなど)

比率を考えるうえで、特に重要なのがアクセントカラーです。

統一感を出そうとアクセントカラーを入れないと、のっぺりした物足りない印象になり、反対にアクセントカラーを多用してしまうと、くどい印象になってしまいます。

アクセントカラーの分量は少なすぎず、多すぎず、全体の5%程度取入れることがポイントです。

実例をもとにカラーコーディネート解説

実際のコーディネート例をもとに、どのようにカラーコーディネートされているかを解説をします。

実例1 アクセント:ブラック×ゴールド

  • インテリアイメージ
    高級感のあるシックなモダンスタイル
  • 使用している色味
    • アソートカラー(家具)
      板材を使用した家具:ダークブラウン
      布地を使用した家具:キャメル + グレー(無彩色)
    • アクセントカラー(小物・雑貨)
      アート、照明、時計など:ゴールド + ブラック

 

板材のダークブラウンとソファのキャメルはいずれも同系色であり、ラグやカーテンには無彩色のグレーを使用しています。

メインの色味であるアソートカラーがブラウン系(ダークブラウンとキャメル)とグレーの2色で最小限に抑えられているため、ゴールドとブラックがより引き立つコーディネートです。

✔️One Point
「シック、モダン、スタイリッシュ」のようなキーワードのコーディネートをしたい場合は、色数を少なくするとそのイメージに近づきます。

実例2 アクセント:グリーン

  • インテリアイメージ
    スタイリッシュなウッディースタイル
  • 使用している色味
    • アソートカラー(家具)
      板材を使用した家具:ダークブラウン
      布地を使用した家具:ブラック + ホワイト(無彩色)
    • アクセントカラー(小物・雑貨)
      アート、観葉植物など:グリーン

 

床材と板材を使用した家具の色味が異なるコーディネート例ですが、ちぐはぐさが出ていない良い例です。

ちぐはぐさを感じない理由は、メインになる色味のアソートカラーが[ダークブラウン、ブラック]の2色で徹底されており、家具の統一感が際立っているからです。家具の統一感が際立つと、目線が家具に集中するため、床色との違いに違和感を感じません。

✔️One Point
部屋全体に色味が少なく物足りなさを感じる場合は、既に部屋で使用されているアイテムから、アクセントカラーを追加すると失敗しないです。例えば、今回の例ではアートに「赤い鳥」が描かれているので、赤いフラワーベースをダイニングテーブルの上に置くなどすると、統一感を出しながら色数を増やせます。

実例3 アクセント:ブルー×ブラック

  • インテリアイメージ
    洗練されたエレガントなモダンスタイル
  • 使用している色味
    • アソートカラー(家具)
      板材を使用した家具:ダークブラウン
      布地を使用した家具:オフホワイト + ブルー
    • アクセントカラー(小物・雑貨)
      アート:ブラック

 

この例は応用編となります。
アクセントカラーとなる小物・雑貨にはブラックのみを使用し、アソートカラーであるカーテンのみにブルーを入れて、アクセントを出しています。

アクセントになるカラーは全体の5%程度に収まれば、小物や雑貨以外に入れてもいいです。

✔One Point
全体的に色数を減らすと、その分アイテムの素材感や柄がより引き立ちます。個性的なオブジェ、ファーのクッション、柄入りのラグなど、引き立たせたいアイテムがある場合は、色数を少なくするのも効果的です。

まとめ

カラーコーディネートの基本として、以下3つのステップを意識すれば、だれでも統一感のある素敵な空間を作ることができます。

  • ステップ1 イメージの明確化
  • ステップ2 配色の計画
  • ステップ3 比率の計画

またカラーコーディネートの基本をおさえ、部屋全体の統一感が出ていれば、アクセントカラーとなる小物や雑貨はどんな色にも応用できます。

内装や家具は手軽に変えることが難しいですが、手軽に変えやすい小物や雑貨を気分や季節によって変えながら、変化を楽しむのもインテリアの醍醐味だと思います。

カラーコーディネートの基本をおさえ、楽しいインテリアづくりの参考にしていただければ幸いです。

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