映画とインテリアブログ 「第28作目」
このところ、急激に気温が下がり一気に冬モードになりましたね。
そんな冷え込みを超える凍りつく事件が起こってしまいました。
パリでの同時多発テロです。
イスラムを取り巻く状況は多面的に見ればみるほど、
複雑で救いのない泥沼の状況ですが、
今回のテロでショックだったのは殆ど、政治的に関係のない場所や
人々が被害に遭った事ではないでしょうか。
間接的にダメージを与える事でより深く目的を達成させようと
するテロという手段に憤りを感じずにはおれません。
(勿論、中近東での空爆被害も同列でやるせないものです)
その悲劇のニュースからはそのようなテロの残虐性と共に
悲劇に直面した時の国民性の違いが目を引きました。
やはり「自由、平等、友愛」の思想が強く根付いているのでしょうか。
一見、個人主義の代表国に見えますが、連帯感、団結心の強さから
様々な歴史を掻い潜ってきたフランスの地力をみる気持ちです。
今回は改めてフランス、そしてパリの魅力を映画、インテリアから感じ取れる
作品を紹介したいと思います。
「アメリ」
監督:ジャン=ピエール・ジュネ 2001年11月公開
フランス、映画、インテリアとワードを並べて一番、多くの人が連想する映画でしょう。
もはや定番というか古典化してますよね。
コケティッシュとキュートと苦味をごちゃ混ぜにして、センス良く整えたような
インテリアが当時は相当、フレッシュに映りました。
弊社で絶賛、展開中の「KARE」ブランドの家具や雑貨も
同じ世界観を有していると思います。
ジュネ監督としてもターニングポイントになった作品です。
「パリ、ジュテーム」
2007年3月公開
そうそうたる18人の監督がパリ 20区内18区を舞台に1区につき「愛」をテーマとした5分の短編を撮るというコンセプトムービー。
監督、俳優陣も豪華であり、尚且つパリの魅力を存分に味わえるという意味では
この作品以上に幕の内弁当的な映画はないのではないでしょうか(笑)
様々な国の監督が関わる事で客観的にパリを見据えた部分もあり、
非常にバランスの良い佳作です。本当にパリは表現者に愛される街ですね。
ちなみにこのニューヨーク版の「ニューヨーク、アイラブユー」も面白いので是非。
「まぼろし」
監督:フランソワ・オゾン 2002年9月公開
シャルロット・ランプリング
映画大国フランスでは偉大な映画監督の系譜が連綿と続いています。
その現代での先端にいるのが、フランソワ・オゾンでしょう。
オゾン監督の撮る映画は自国のフランスのなので、自然体のフランス、パリが
映しだされるのですが、自然体でも等身大の服装やインテリアがいちいち、洗練されて魅力的です。
それらを観る度にインテリアに関わる身として色々と考えさせられます。
ちなみに彼の撮る映画での常連女優としてシャルロット・ランプリングという
女優さんが現在、御年69歳なのですが、年を重ねてもいつまでもオシャレで
いかにもフランスの粋といった感じと謎めいた雰囲気を漂わせてとても素敵です。
「17歳」
監督:フランソワ・オゾン 2014年2月公開
フランス映画は往時ほど勢いがなくなったと言われていますが、
商業主義の映画が少なく一定のクオリティをキープしています。
そしてどのフランス映画をインテリア視点で観ても何かしらの刺激を受けるほど
生活文化の高い国だと思うので、ちょっと敷居の高さを感じている人も
それらを吸収する気軽な気持ちで観てみては如何でしょうか?
インテリアという住居があってのコンテンツに携わる者として、
これ以上、戦争難民が増えるような状況とテロの負の連鎖が
一日も早く終わることを切に願います。
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